RTR 参入直後のスタンダードについて

  • Magic に関する想念を掃き出しておこうと思う。
  • RTR がやって来てから(ラヴニカに我々が帰ったのだと思っていたが実はラヴニカがもう一度やってきたようである)、ゾンビ系ビートダウンデッキが虫の息なんですが。ゾンビだからそりゃそーかって、はは。ラヴニカがやってくるまでは赤系ゾンビ、青系ゾンビ、それから青のポッド系ゾンビ。ま、それが普通でしたわな。今では除去てんこ盛りのジャンドコンや、「今日も元気だトラフトが強い」バントトラフトだのトリコトラフトだの、墓地対策なんか知ったことか的なリアニメイトにぼかすか殴られるんすわ。It's JUSTICE. 悲しい世の中ね。
  • まー。しょうがないかなー。ゾンビデッキが得たのは、そうねえ、Rakdos Cackler と、Lotleth Troll、Dreg Mangler と、Dreadbore とか Abrupt Decay とかもそうでしたけど、まあその辺かな。Dreadbore や Abrupt Decay は、なにもゾンビデッキだけのものじゃないしな。Rakdos Cackler は赤にも入るし。そうですね。
  • 今のところ、ジャンドコンが一つ頭抜けている感がありますけど、はー。ジャンドコンかー。それが強かったとはねー。
  • てゆうかさ、ゾンビデッキで何が厳しいって、最近の皆さんが Pillar of Flame を抱えていることだよ。どうしたのさ、みんな。ついこの間までそんなのあんまり持ってなかったじゃない。メタゲームとはげに不思議なものである。
  • いやあそうなんだけどさ、Pillar は DKA に入っていたものなのだから、前の環境からもっと使われていても良かったのではないか。なにが、Pillar を遠ざけていたのか。その理由は……やっぱ、Pillar の使い道が問題だったんだろう。あの頃は、赤絡みのコントロールなんて組めなかった。赤は、緑と組んでビートダウンしかなかった。しかし赤系ビートダウンでは、結局デルバーに勝てなかったし、また緑系のポッド (Birthing Pod) のデッキに勝てなかったんだと思う。白絡みの Blade Spilicer を使ったデッキに対しては、Pillar のような単体ダメージ呪文は、効果が薄かったのだと思う。だから、Pillar の影は薄かったのだと思う。使うとしたら、わざわざ対ゾンビ用のサイド、ということになっていたのだと思う。
    • それにしても少し前のことなのに RTR 参入前のスタンダードのメタゲーム(デッキタイプの趨勢)を思い出せない。ちゃんとメモを取らないと不味いか?
  • 総じて、単体火力呪文はあまり使われていなかったと思う。例えば、デルバーに、火力は必要なかった(勿論、AVR がリリースされた直後には青赤のデルバーが組まれたことは覚えているが、結局青白に落ち着いたではないか)。デルバーは火力を必要としない。というのも、ひっくり返ったデルバーは回避を持つし、相手がマナ(時間)を掛けて唱えたクリーチャーは、バウンス (Vapor Snag) すればよいからである。Snapcaster も居るしね。
  • デルバーデッキでない場合には、単体火力呪文よりも、対象を取らない呪文の方が有り難いという事情もあったなあ。何しろ対象を取る呪文では Traft を殺せないんでね。かがり火 (Bonfire of the Damned) とか、Geth's Verdict とかね。
  • 単体火力を使うにしても、前の環境には、Galvanic Blast と Incineration があったよね。ゾンビを使う身としてはそっちの方を採用してくれて助かっていたわけなんだけどさ、ま、ゾンビとは当たらないと思えるのだったらインスタントを選びますわな。
  • まあ Pillar の話はこれくらいにしておこう。次は Thragtusk の話だな。いやもう。昨今はメインから 4 枚で入っていますから、短期決戦を狙うデッキとしてはもう、凍る凍る。あれ、お寒いよね。本当に困ります。これまでのゾンビデッキだと、パワーがちゃんと 3 あるのは Geralf だけで、他のクリーチャーは基本的にあれは傍観するしかない。こちらの Geralf で二回攻撃して相打ちにすればいいのかな? とか思っている内に二枚目が降ってくるし。困りますよね。しかもマナクリーチャーやら Farseek やらで加速された場合、こちらが少しでももたついたらもう取り返しが付かない。念の入った場合だと Centaur Healer から出てくる。パワーが 2 しかないクリーチャーはまずそこでストップですからね。ゾンビに対してはめっぽう効くわけです。
  • 簡単に言うと、クリーチャーのタフネスが最近揚がりましたよね。そのせいでゾンビたちの攻撃が通りづらくなった。Thrag を四枚入れてそれでデッキが回るなら、ゾンビは雑魚に見えることでしょう。まあそうさな。
  • ゾンビデッキの方も、Thragtusk 戦略に対抗する為に進化しましたよ。まあ勿論メタに左右された場当たり的進化しかデッキにはないのだけれども。ともあれ、Crippling Blight。あれね。まー、こんなエンチャントを使うことになるとは、と一瞬思ったけど、テキストをよく見ると、can't block にするって書いてあるのね。なるほど! というわけだな。タフネスが向上して攻撃が通りづらくなった、除去スペルもあんまり品質が良くない。なら can't block にしてしまえ、というわけだ。これならタフネスを無視できる。白系の先制攻撃持ちの前でおどおどしなくて済むよ! やったね! というわけだ。
  • はー。なるほどなるほど。これまで、ゾンビデッキの除去スペルは、まあ筆頭は Tragic Slip だったかな。これはもうあんまり効かないんだよね。みんな総じてタフネスが高いから。タフネス 1 のクリーチャーなんて、……そうさなあ。ひっくり返る前のデルバーも、最近デルバーさん本人は影薄いからなー。リアニメイト系のマナクリーチャーぐらいかな。とても少ない。
  • 最近では Dead Weight なんてものも使ってしまう有り様。うーん。ソーサリータイミングだということはその通りなのだが、もっといいのないんですか? という感がアリアリである。かつてだったら Go for Throat と Doom Blade があったので、それを併せてそうだなあ五・六枚詰め込めばいいじゃん、みたいな話になったと思うんだが、どっちも無ぇ。Murder は三マナなんですよ先輩ァい、というわけだな。 Ultimate Price ……、Ultimate Price ねえ……。使ってみる? ……まだ試したこと無かったな。また考えてみよう。
  • たしかに Dreadbore は性能の良い除去ではありますが、黒赤って、案外難しいからね。特に、緑の力も借りようとして黒赤緑なんてやった日にゃあ、四枚採用は無理でしょう。
  • うーん。そうじゃないねん。Thragtusk に二枚使わされるのが困るんだよ。その点、Crippling Blight は中々それなりなソリューションではあると思う。向こうからの攻撃はもろ通りだがな。
  • そもそも Thragtusk に場に出て欲しくない。ではどうすればいいのか。というわけで、Essence Scatter が四枚入ったゾンビも組んでみましたが、まーやっぱ、パンチ力不足なんですよね。こういう場合、こちらが作ることになるデッキのコンセプトは、「高速で攻め立てて、向こうが Thrag を出してくるのさえカウンターすれば勝ち」デックウィンですので、青が入っていると、その「最後の Thrag に対してはカウンターを握っているから詰み」という具合にまで追い詰めることが難しい。と思う。なんかいい方法あるんですかね? 
  • 青絡みのゾンビデッキがいまいち良くないのは、青黒のギルドランドがないからだ。と思う。今回追加されたゾンビの新戦力として、緑絡みのカードを使うとすると、黒緑青ということになる。しかし、Essence Scatter、四枚入っているからと言っても、いっつもいっつも引くわけじゃない。引かないこともある。まずそういう場合、青を使う為に入っている青絡みの土地、具体的には Drowned Catacomb は邪魔なだけだ。展開が遅くなるんですよ。これも、青絡みゾンビのパンチ力が足りない要因の一つだと思う。じゃー折角青を使うんだから他に何使うんですかって。何使うんですか? デルバーがバウンス戦略の強さを教えてくれたからって、Unsummon なんて嫌ですからね? それから、スペルを Snapcaster で水増ししようというのも考えたけど、そういうリアクションの部分を増やすと、デッキはどんどん遅くなりますからね。
  • と、ここに至って、デルバーのようなクロックパーミッションと、ゾンビのようなビートダウンの違いがよく分かってくるように思う。クロックパーミッションは、待ち(リアクション)の要素があってもいいんだ。でもビートダウンは駄目ね。相手が出してきたブロッカーを弾いて攻撃を通す、というのがビートダウンの考え方で、クロックパーミッションは、相手にブロッカーを出させないように封じ込める遣り方なんだ。序盤に築いた優勢を維持するんだよ。
  • もう少し正確に言うとどうなるか? クロックパーミッションも、ビートダウンも、相手の行動を阻害する為のカードを用意している。クロックパーミッションではバウンスだったりカウンターがそうであり、ビートダウンではダメージ除去・破壊除去などだ。ビートダウンでは、相手が何もしていないようならクリーチャーをどんどん出す(無論、パーミッション等の全体除去を持っている相手には別だ)。クロックパーミッションは、そうはしない。のだろう。私はちゃんとデルバーを使ってことがないからな。ともあれ、手札にデルバーが居る時であっても、相手の呪文をカウンターする為に Snapcaster と Mana Leak を構えておく、というわけだ。恐らく、この二つの戦略の違いは、相手の阻害の為に使うカードの機能が違うから、そうなっているに過ぎない。のだろうと思う。それはそうだろう、とは思うが、多分そうだ。カウンターは、出てくる時にしか機能しないから、相手が呪文を使う時を今か今かと待ち構えることになる。対して除去の呪文は、相手がクリーチャーを置いて始めて対象が取れるようになるのだから、対象が存在し始めるまでは、こちらは好きにアタッカーを展開すればいいのだ。
  • で、そこで、ゾンビ・ビートダウンに Essence Scatter を混ぜる話ですよ。ゲームの一番最後に Scatter だけ引くならいいんだけどね(実際そういう試合はあったよ)、でもゲームの途中からカウンターを引いてしまうと、目の前のブロッカーを弾く為にマナを使うのか、カウンターをする為にマナを温存するのか、で、困ることになる。というか、まあ目の前のブロッカーを弾くことにすると、カウンターは撃てない。弾いては出され、弾いては出され、という具合になると、結局カウンターが最後まで撃てないのだ。最後にカウンターが撃てるというのは、相手が脅威となるカードをプレイできないターンがあることによりこちらがカウンターの為のマナを取っておくことが出来る、という時だけなのだ。
  • では、ゾンビデッキの阻害カードを、全てクロックパーミッションが使うようなカードにしてしまう、というのはどうか。これも考えて実際やってみたんだが、まあ駄目だわな。それって、結局攻撃クリーチャーだけが黒のゾンビになっているデルバーじゃないですか。Delver of Secrets が本当に入るべきと思えるようになるまで、青絡みの阻害系カードを入れたら、それ、ゾンビである必要が全くないですよね。白を混ぜて Traft 使いましょう。となる。そういうことなんだよ。
  • 結論。まーあれこれやってみたが、ゾンビに優しくないね。今回の環境は。どうも。などと、物分かりのいいようなことも言えるのだが、とりあえず、今のところの私のゾンビデッキは、Giant Growth を採用して、相手のダメージ除去に耐えられるように、Rancor と組み合わせて最後の一押しが出来るように、コンバットトリックで相手のブロッカーを一方的に倒せるようにしてみたものになっている。ダメージ除去が少なく、却って破壊除去の方が多いようなメタゲームになったら、Ranger's Guile でも使いますかねえ。
  • あ、あと、トークンを使ってくる不埒な白緑が最近散見されるので、Sever the Bloodline も採用しています。
  • とは言え Tournament Practice のお部屋からは出られない。
  • 今回はこれくらいにしておくか。